付加断熱で等級7へ、群馬初のELVIA展示場が示す寒冷地の家づくり

付加断熱で等級7へ、群馬初のELVIA展示場が示す寒冷地の家づくりを象徴するイメージ写真

ニュースの概要

群馬セキスイハイムは、高性能住宅ブランド「ELVIA」の県内初となる展示場を、前橋みなみ住宅展示場に11月14日に開設する。ELVIAは意匠性に加え、断熱性と耐震性を売りにする商品である。屋根と外壁では、柱の間に断熱材を入れる従来の方法に、外側からもう一層断熱材を重ねる付加断熱を組み合わせる。さらに窓などの開口部も強化し、断熱等性能等級の最高である等級7に対応できるようにした。展示場では、大きな開口を持つ広いリビングなど、開放感と性能を両立した暮らしを体感できる構成とする。

引用元: 群馬セキスイハイム、付加断熱で断熱等性能等級7に対応する「ELVIA」展示場を開設(NewsCast)

分析・見解

等級7が「特別な家」から選べる商品になった

断熱等性能等級7は、2022年に新設された国の最高ランクである。外皮平均熱貫流率(UA値=家から熱が逃げる度合いを示す数字)は、関東の多くを含む6地域で0.26以下が目安になる。等級4の0.87と比べると、熱の逃げやすさは約3分の1だ。

これまで等級7は、一部の高性能工務店が手がける特注の領域だった。大手メーカーが展示場という形で標準的な商品に載せたことは、市場の見え方を変える。見学者が「最高等級の家に入れる」ようになったからだ。

付加断熱が効く理由は「柱」にある

従来の充填断熱は、柱と柱の間に断熱材を詰める。しかし柱そのものは木材なので、断熱材より熱を通しやすい。壁の中に細かな熱の通り道が残るわけである。

付加断熱は、その柱の外側にもう一枚断熱材を張る。柱を丸ごと覆うため、熱の通り道が減り、壁全体の性能が安定する。ダウンジャケットの上にもう一枚羽織る発想に近い。

ただし壁が厚くなる。外壁の仕上げや窓まわりの納まり、施工の手間が増える点は避けられない。性能の数字だけでなく、施工精度が品質を決める。

群馬という立地が持つ独特の事情

群馬県は冬の平均気温こそ北国ほど低くないが、前橋は空っ風が強く、朝晩の冷え込みも厳しい。一方で夏は国内でも屈指の高温になる。つまり暖房と冷房の両方に負担がかかる地域だ。

断熱は冬の暖かさのためだけではない。夏に屋根や壁から入る熱を抑える働きも大きい。群馬のように寒暖差が大きい土地では、高断熱の効果を年間を通じて受けやすい。展示場の開設先として、県庁所在地の前橋を選んだ理由もここにあるだろう。

大開口と高断熱の両立が本当の見どころ

大きな窓は、家の中でもっとも熱が出入りする場所である。壁を厚くしても、窓が弱ければ数字は伸びない。大開口のLDKと等級7対応を同時に見せる展示は、この矛盾に答えを出す試みと言える。

実際には、樹脂サッシと三層ガラスの組み合わせや、日射を取り込む向きの設計が欠かせない。窓の性能については、サイト内の窓リフォームの解説も参考になる。入口となる窓を強くすることが、等級7への近道である。

ビジネスへの影響

施主は「等級」より総費用と暮らし方で比べる

等級7は魅力的だが、建築費は上がる。付加断熱や高性能窓の追加で、一般に数百万円規模の差が出ることがある。比べるべきは、初期費用と光熱費の差、さらに30年分の快適さである。

たとえば年間の冷暖房費が数万円下がっても、元を取るには長い年月がかかる。一方で、冬の朝の室温差が小さくなれば、ヒートショック(=急な温度差による体への負担)の不安は減る。お金に換えにくい価値も含めて考えたい。

工務店は展示場の登場を差別化の好機にできる

大手が等級7を前面に出すと、地域の工務店にも同じ水準を求める声が増える。付加断熱の施工経験は、もはや強みとして示せる時期に入った。

対抗するには、実測した気密や室温のデータを見せることだ。完成見学会で温度計を置くだけでも説得力が増す。補助金の使い方や資金計画まで説明できれば、価格以外の信頼につながる。補助制度の最新動向は、サイト内の補助金のページで確認できる。

見学時に確認したい三つの質問

展示場を訪ねるなら、次の点を聞くとよい。第一に、標準仕様で等級7なのか、オプションなのか。第二に、UA値の実際の数字と、気密の測定をするかどうか。第三に、将来の修繕で外壁の付加断熱部分をどう扱うかである。

展示場は条件の整った見本である。自分の敷地や予算で同じ性能が出せるのかを、見積もりの段階で必ず確かめてほしい。

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